「今日は何の日?」シリーズ第89弾です。
さて、今から130年前の1884年10月13日に、グリニッジ天文台を通る子午線(グリニッジ子午線)を経度0度とすることが決まりました。
本初子午線とは
さて、日本の標準時子午線は、東経135度と定められています。この東経・西経という子午線の起点となる、経度0度0分0秒と定義された子午線 (経線) のことを本初子午線というそうです。「本初」とは「最初・首位」という意味です。
赤道や地理極という明確な基準のある緯度とは異なり、経度には明確な基準が自然には存在しないため、本初子午線は人為的に設定する必要がありました。
そこで、1884年のこの日、国際子午線会議という場において、グリニッジ子午線を経度0度とすることが決められたのです。
当時は、GPS衛星など影も形もない時代ですから、外洋の航海には正確な緯度と経度の計測が不可欠でした。
見渡す限りの海で緯度の計測基準となったのは星です。北極星の位置や見える角度から、船は緯度を割り出すことができました。
一方、経度の測定には正確な時刻を知る必要からクロノメーター (船の揺れや温度変化に影響されない、高精度な携帯用ぜんまい時計) が開発されるとともに、時刻の基準すなわち「経度の基準」が必要になったのです。
グリニッジ子午線を経度0度と定めたことで、世界の経度および時刻の基準を担うことが可能となりました。ちなみに日本の標準時は、グリニッジ標準時を9時間進めたものになっていますね。
IERS基準子午線
現在の国際的な本初子午線は、グリニッジ天文台のグリニッジ子午線から東に5.64秒、距離にして102.5mずれているそうです。
これは難しくてよく分からないのですが、Wikipediaによると、国際地球回転・基準系事業(IERS)によって定義、保持されている測地系である国際地球基準座標系(ITRF)のX軸方向なんだそうです。
アメリカ国防総省の運営するGPSの基準子午線もこれを用いているとか。
なんでも、GPSの前身となる最初の全地球航法衛星システムであるTRANSIT衛星の基地局の座標系として基準としたものだったようです。IERS基準子午線の方向は、地球の大陸プレートの動きの加重平均に追従する、とあります。(難しいですね…(^^; )
・・・というわけで、GPSで自分がいる場所を正確な経度で表せるのも、こうした取り決めがあるからなんですね。よく考えれば、手のひらサイズのスマホで瞬時に現在地を計測できるなんて、凄いことですね。
技術の進歩を改めて感じた、三連休最終日の朝なのでした。
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さて、今日はここまでにしますね。
ではまた!
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(2014.10.13記)